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木造八幡神坐像

11 住み続けられるまちづくりを
ページID:0025717 更新日:2024年1月5日更新 印刷ページ表示

行橋市有形文化財(彫刻)

八幡神坐像 写真

市指定 有形文化財(彫刻)
指定年月日:平成17年11月1日
所 在 地:行橋市神田町8-1 正八幡宮

菩薩の姿の神像

 1976(昭和51年)、正八幡宮の神殿修繕の際に発見された神像です。像高26.6cm、針葉樹材の寄木造りで、内刳り(うちぐり)はありません。肌の部分には漆箔(しっぱく)を施し、衣は彩色してあります。形態は南北朝時代の院派仏師の作例に通じますが、院派特有の癖の強さはなく、小像ながらおおらかさと森厳さをあわせもった姿に造形されています。手先を失っていますが、総じて保存状態は良好で、彩色も薄らいでいるものの当初のものが残っています。

 特徴はその姿です。八幡神像は一般に僧あるいは衣冠束帯の貴族の姿が多いのですが、菩薩の姿をしたこの像は、仏像にならって神像をつくるようになった神仏習合の初期の様相を思い起こさせます。

銘文

 神像の内面には、造像年「天文癸丑(天文22年:1553年)」や奉納の経緯を記した銘文が刻まれていました。

 銘文の内容については検討の余地がありますが、この像の彫刻史的年代観と「天文」という年号とに大きな矛盾はなく、室町時代後期の作品だと考えられます。

 造形的にも秀でており、この地域の室町時代後期彫刻の基準作例としても重要です。