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絹本著色親鸞聖人像 附 裏書

11 住み続けられるまちづくりを
ページID:0039130 更新日:2025年8月6日更新 印刷ページ表示

行橋市有形文化財

親鸞聖人像写真

市指定有形文化財(絵画)
指定年月日:平成30年7月4日
所在地  :行橋市大字今井1802 浄喜寺


 絹本著色親鸞聖人像(けんぽん ちゃくしょく しんらん しょうにん ぞう)は、浄土真宗の宗祖親鸞(1173-1262)の肖像画です。細く肥痩のないなめらかな描線と、鮮やかな彩色で描かれています。
 画面法量は縦102.9cm、横45.5cmで、左側には「和朝親鸞聖人」の墨書があります。画面上部の四行の讃文は絵絹の傷みと経年による黒化のために判読が困難ですが、赤外線撮影により解読すると『入出二門偈頌』の一節、「観彼如来本願力/凡愚遇無空過者/一心専念速満足/真実功徳大宝海」と書かれているとみられます。

 裏書が別に紙本墨書の掛幅装のかたちで伝わっており、これにより元亀3年(1572)に浄喜寺第三世住職の良慶が調えたものであることがわかります。本願寺第十一世顕如の名と花押も見られます。

 この親鸞聖人像を所蔵する浄喜寺は守田山雲龍院と号す真宗大谷派の寺院です。浄喜寺にある浄喜寺寺号書下の裏書によって、明応4年(1495)に慶善(村上良成)が本願寺第九世実如から寺号を得て創建されたことがわかります。豊前国を代表する真宗寺院であり、天明6年(1786)の『小倉藩寺院聚録』によれば、小倉藩内に三十余の末寺を擁する有力寺院でした。

 親鸞聖人像は浄土真宗寺院に必ず備えられているものですが、本作は県内でも極めて古く、あわせて伝わる裏書によって来歴が明確であり、浄喜寺と九州における本願寺教団の展開を考える上で重要な歴史資料です。

浄喜寺の文化財​

梵鐘 應永廿八年在銘(福岡県指定文化財)

絹本著色親鸞聖人絵伝(行橋市指定文化財)

紙本著色良慶上人像(行橋市指定文化財)