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ゆくはしビエンナーレ2023大賞作品がお披露目されました!

ページID:0019313 更新日:2023年3月6日更新 印刷ページ表示
大賞作品「フリーダ・カーロ」とコチュマル氏
ゆくはしビエンナーレ2023の授賞式が3月4日(土曜)にコスメイト行橋で行われました。大賞受賞者のヴォロディーミル・コチュマルさんは「日本に来られて心から嬉しく思います。作品からフリーダ・カーロのたくましさや穏やかさが伝わることを願います。」と述べるとともに、大賞に選ばれたことに感謝の意を表しました。完成した彫刻作品は行橋駅東口広場にてお披露目されました。

受賞者の声

大賞  ヴォロディーミル・コチュマル

初めに、多くの優れた作品の中から私の作品「フリーダ・カーロ」に票を投じて下さった審査員の方々に深く感謝を申し上げます。大賞受賞の報に接し、この上ない喜びを覚えました。
これまでいくつかの賞はいただいてきましたが、この度は私の敬愛する文化の国、日本での「大賞」受賞であるだけに、格別な出来事となりました。誠に光栄に存じます。ありがとうございました。
この賞をいただいたおかげで、私は日本を訪れることができ、訪問の第一歩からお国の文化やみなさま方と触れ合うことができました。誠実で素晴らしい方々ばかりで、私へのお心遣いやご親切に深く感謝しております。みなさまのおかげで様々な体験をすることができ、多くを学ぶことができました。高岡市(富山県)では、今回作業をさせていただいたわけですが、ご当地の工芸家や芸術家のみなさま、また様々な芸術的伝統の素晴らしさに、以前からうかがってはおりましたが、改めて強い印象を受けた次第です。私のために用意して下さった工房といい、親身になってお世話くださった梶原さまや工場のスタッフの方々といい、まさに至れり尽くせりで、御礼の申し上げようもありません。
「フリーダ・カーロ」をテーマとした理由ですが、これにはわけがあります。我が国ウクライナは、当時恐怖に満ちた戦争前夜ともいうべき状態に置かれていました。この状況下で、私は心理的に何か逞しい人物像とでもいうべき存在に頼りたい気持ちがありました。その強靭な精神や愛、創作への意欲で見る人を鼓舞するようなイメージです。それが私にとってフリーダ・カーロでした。波乱に満ちた人生を歩みながら、なお彼女は愛と創造性を失うことはありませんでした。
フリーダ・カーロ像は、見た目にも、また質量のバランスからも円錐形の安定した構造を保つことで、すっくと天に向かって立ち上がっています。それはまたギリシャのパルテノン神殿を支えている女像柱にも似ています。私は、この彫刻を建築のように構築することを目指しました。それは、大小さまざまなスケールのモデュール(部分)が競合し、大小の形状が織りなす律動感で内部が満たされているといった構造物です。私は、私たちに語りかけてくるような堂々とした姿、人間の魂そのものを象徴するような形を簡潔に表現するものが創りたかったのです。そしてまたフリーダのもつ女性らしさや慈しみをも表現したいと思いました。彼女は菊の花飾りで髪を飾るのが好きでした。
最後になりましたが、この素晴らしい「ゆくはしビエンナーレ」に携われたみなさまのご厚意に深く感謝し、衷心より御礼申し上げます。
愛と平和がみなさまと共にありますように。
ヴォロディーミル・コチュマル氏
I would like to start my speech by expressing my deep gratitude to all the members of the jury who voted for my Frida Kahlo work out of all the very good projects. When I knew about this, I felt a deep sense of happiness. So far, I won various competitions before, however winning the Grand Prix in Japan, a country whose culture I love, and respect was a pleasant experience. So, I'm very much honored, thanks again.
This award allowed me to visit Japan and get in touch with the culture and people who accompanied me from the first minute of my stay. These are sincere and wonderful people, and I am very grateful to them for their concern for me, and for their warm friendly attitude. They showed me a lot of different things, and I think I learned a lot from them. I also want to say that the city of Takaoka, where I used to work, made a strong impression on me with its craftsmen, artists, and artistic traditions that I had only heard about before. My workplace was perfectly organized, for which I am also very grateful. In addition, I would like to express my gratitude to Mr. Kajihara and all the employees of the manufactory, who kindly treated me and helped me in the environment.
As for the Frida Kahlo sculpture choice, it was not just by chance. Since my country was at that moment in the most alarming pre-war state, psychologically I wanted to cling to a strong human image. An image that would inspire the viewer with the strength of its spirit and the thirst for love and creativity. I saw this image in Frida Kahlo, because despite the dramatic events in her life, she kept being able to love and create.
The composition is built as a vertical, stretching upwards, supported by conical rhythms of the shape and mass. It is also built like a Greek caryatid holding the Parthenon. Only Frida keeps the chrysanthemums, which she loved to decorate her hair with. I aspired to build a sculpture as an architecture that is filled with the internal movement of the fluidity of the rhythms of large and small forms and shapes, creating a game of large and small modules. I desired to create a majestic form that speaks the human language through the laconism of the greatness of the form that conveys the value of the human spirit. And I also wanted to endow my Frida with femininity and love.
In the end, once again, I would like to express my deep gratitude and regards to all the organizers and everyone who took part in such a unique project as the Yukuhashi Biennale.
May love and peace be with you.

市民賞&子ども大賞  徳安和博

この度は第4回ゆくはし国際公募彫刻展におきまして「市民賞」並びに「子ども大賞」をいただき、誠にありがとうございます。私個人の制作活動において、市民の皆様からの具体的な評価を受ける機会や、世界の具象彫刻家と作品を競う機会も、このゆくはし国際公募彫刻展あってこそのものでした。初回の開催から今回までの4回展すべてに作品を出品させていただきました。世界の中において具象彫刻家としての自分の立ち位置を確認できたことを大変ありがたく思っています。またこの4回の出品の間に、この彫刻展のために開発した個人的な制作技法もずいぶんと進歩させることができ、それらがわたしの他の彫刻の仕事にも応用できるようになって制作時間の効率化と試行錯誤方法を発展させることもできました。このように多くの財産をいただきましたことに重ねて感謝申し上げます。
最後になりましたが、私が制作したマケットが、市民の皆様に親しんでいただけることでいくらかでもお役に立てれば幸いです。
徳安和博氏